小学生でも分かる!仏教の13宗派とその違い

信仰の自由が認められている日本で信仰の中でも最も多いのは仏教ですが、仏教宗派は13の宗派に分かれていて、それぞれの宗派によって作法などが違っています。
知らないことによってマナー違反をしてしまうことを避けるためにも、どのような教えがあるのかをあらかじめ知っておく必要があります。
それぞれの作法の違いや基本的な教えなどを理解するためにも、各宗派事の教えや作法の特徴などを一つずつ調べて理解していきましょう。

浄土系の教えについて

浄土系には、浄土宗と浄土真宗と融通念仏宗と時宗の四つがあります。
まず浄土宗の開祖は法然で、両手を合わせながら南無阿弥陀仏と口に出して唱えることで、誰もが救われるという思想をと説きました。

修行を重ねて悟りを開くというような教えと異なっていて、誰にでも悟りが開けるというような革命的な思想として受けとめられました。
その教えを引き継いだ形で出来たのが、親鸞の開祖した浄土真宗で、阿弥陀如来に全てを任せることで誰もが救われるという他力本願や、悪人でも救われる事ができるという教えです。

古くには融通念仏宗の開祖は良忍で、平安時代の末期に1人の念仏が万人の念仏に通じるという教えを布教していて、時宗の開祖の一遍も、和歌などによるわかりやすい教えと共に、阿弥陀仏の存在を信じていなくても、念仏を唱えれば往生できるという仏教を庶民に広めたそうです。
浄土系では葬儀の時の焼香は、抹香を額の高さまで掲げて3回行いますが、浄土真宗だけは額まで掲げないで1回のみです。

参考:浄土真宗のお経にはどんな意味があるの?お経の由来と南無阿弥陀仏の意味を解説

南都六宗系の教えについて

南都六宗系には、法相宗と華厳宗と律宗の三つがあります。
まず法相宗の開祖は基ですが、日本の仏教としては遣唐使での入唐求法僧侶により広められて、密教のような即身成仏ではなく長い修行を行うことで成仏できるという考えで、唯識三年倶舎八年と言われている難解な思想です。
華厳宗は審祥が東大寺において講義を行ったことで広まりました。
一がそのまま多であり、多がそのまま一であるという相反するものを一つに統括するという考え方です。
律宗は中国の仏教の一派で、日本へは鑑真によって伝えられた事で広まりました。
経と律と論のなかの律を中心としていて、定められた戒律に従って戒律を守ることが重要で、そのことで悪事が防げると考えられています。
他にも善い行いを積極的に行うべきで、全ての人々に利益を施すべきという教えもあります。
この宗派の葬儀の時のマナーについては、南都六宗系では焼香は一般的に行われないようです。

禅宗系の教えについて

小学生でも分かる!仏教の13宗派とその違い - 禅宗系の教えについて

禅宗系には曹洞宗と臨済宗と黄檗宗の三つがあります。
曹洞宗の開祖は道元で、ただ何も考えずに、ひたすら座るだけの只管打坐という教えを説きました。
悟りのための手段に修行があるのではなく、修行と悟りは一体のものだという修証一如という思想です。
道元が座禅をしているときに、心身脱落を経験したとされていて、自我を捨てて世界のそのままを受け止める境地になったそうです。
臨済宗の開祖は栄西で、中国より禅を学び、休憩中に茶として行われていた茶の習慣を日本に持ち帰りました。
当時の日本では、茶は貴族や僧侶など上流社会のみの習慣だったものを一般社会にも広めました。
時に座禅の後の眠気覚ましに効果があって、欠かせないものとされています。
黄檗宗の開祖は隠元で、禅宗系では最も遅い江戸時代に始まった宗派で、教義や修行の内容は臨済宗と同じとされています。
葬儀の焼香のマナーは、曹洞宗は2回で、最初は抹香を額まで掲げて次は額まで掲げないで行い、臨済宗と黄檗宗は1回額まで掲げるだけで良いです。

密教系と法華系の教えについて

密教系には天台宗と真言宗の二つがあり、法華系は日蓮宗のみです。
天台宗の開祖は最澄で唐に渡って仏教を学んで帰国後に日本の仏教の基礎になる平安仏教を代表する高僧となります。
円と戒と禅と密を総合した教えで、円とは円満な教えで中国を発祥とした本来の天台宗の教理です。
戒とは戒律のことで最長の独自の発想で、禅は禅の行法で密は密教の教えです。
空海は真言宗の開祖で、中国で最澄が十分に学べなかった密教を完璧にマスターして帰国します。
真言宗の密教は、修行を行うことで悟りを開き、人が生きたまま仏になるという思想です。
日蓮が開祖の日蓮宗は天台宗の根本経典の法華経を絶対視していて、空は何もないのではなくて、全てが存在して可能性に満ちている無限の世界だという教えです。
葬儀の時の焼香のマナーですが、天台宗と真言宗は抹香を額の高さまで掲げて3回行いますが、日蓮宗は額の高さまで掲げるのは1回だけになっています。

このように国内の仏教には13の宗派があって、それぞれに異なった教えというものがあります。
どの宗派にも特徴があって、中国から伝わってきてから大きく変化したものもあり、人々の暮らしに色んな形で関わってきています。
宗派によるマナーの違いには多少の注意は必要ですが、最終的な仏教の目的地は、本当の幸せであり絶対に変わらない幸せであることです。
その目的地に進むために人を導くために、仏教は存在しているのでしょう。